最終更新日 2024年10月30日 by nozawa88888@gmail.com
古い歴史を持つ「フクヤマピアノ」
本日はピアノの音が出ないという ご相談で駆けつけた件で、あまりお見掛けしない「古い歴史」をもつピアノでしたので、 記事にしてみました。
見た瞬間にとても歴史を感じさせる クラシカルな佇まいのピアノ。
ラッカー塗装で仕上げられたことが一目瞭然な懐かしい ぬくもりを感じさせる雰囲気です。
鍵盤は「象牙」です❣
フクヤマピアノというブランドのピアノ・・・。
この 福山 ピアノ 広島県の福山市が発祥のピアノメーカー というわけではなくて(私も若い時はそう思っていました)、福山松太郎さんという方が 創業者の日本のピアノメーカー。
創業はなんと1900年(明治33年)、日本で一番古いピアノメーカーの ヤマハが1887年創業ですから、国産のピアノメーカーの中でも最古参といった感じです。
※もともとはオルガン メーカーで後にピアノを作ると言ったことになります。
フレームのところにALEXANDERという刻印が見えます。
これは 福山 ピアノが作っていたブランドの1つで、その他 WILHELMなどのブランドのピアノも制作をしていたようです
(調べましたら 16のブランドのピアノのメーカーを作っていたとのことで、当時 近代化される前のピアノメーカーのチャレンジ精神を感じます)
話が長引きました、音が出ない原因は 弦が切れていました汗
ピアノの音が出なくなる原因は本当に様々です。
弦が切れて音が出なくなるっていうのは・・・、結構珍しいんですよね。
早速、新しい弦に張り替えます。
ピアノの弦もその他の弦楽器同様に低音部から高音部まで太さが異なります。
我々の業界では 「番手」と言います
※元々、この「番手」と言葉は糸や ワイヤーなどの太さを示すために使われてきました、ピアノの弦もこれに倣って「番手」という言葉を使います。
ピアノの弦は低音から高温にかけて徐々に細くなります、これによって 各音域で適切な音色と張力を得ることができるようになっています。
あ、これも話が逸れますが、ピアノの弦の正式名称は「ミュージックワイヤー」です。「ピアノ線」は「強度の強い針金」という意味の言葉でピアノの弦ではありません。
この「est」というのはestablishment「創業」の意味です。
1900年創業・・・、今から100年以上前かぁ・・・、長い歴史と職人の誇りの魂を感じます。
上には謎の日付が…、
どなたか 技術者さんが書いたんでしょうね…。
ピアノのオーナーさんに このピアノの由来を聞いたのですが、ご本人(70代女性)はどなたかから譲り受けたピアノ だそうで…、出自は謎に包まれたままです✨
「実家に謎のメーカーのピアノがある」という方は 野沢 ピアノに連絡ください、ピアノの中に何かお宝が眠っている可能性もあります!!