みなさま、こんにちは(^^♪

お盆休みも終わり、いよいよ8月終了のカウントダウンです。
夏の終わりといえば、若い頃(20代前半くらいまで)には少し寂しい気持ちになったりしましたが、最近はないですね・・・・、そんな気持ちになることは。
なんででしょうね・・・、不思議です。(その代わり”春”はしみじとした気持ちになります、若い頃は”春”の良さがさっぱりわかりませんでした)

さて、今日は先日お伺いしたお客様のピアノがYAMAHAのU7という良いピアノでしたので(当時の最上位機種です)、今回は「上位機種って何が違うのか」について書いてみたいと思います。
あ、この「YAMAHA U7」については以前書きました、ご興味のある方はコチラをご覧ください。

そもそも、”上位機種”とはなんぞや

ピアノにも”ランク””クラス”があります
イメージとしては「松・竹・梅」みたいな感じです。

例えば・・・、現行モデル(黒ピアノ)ですと・・・
【河合楽器・アップライトピアノ】
K-700 > k-500 > k-400 > k-300 > k-200 (Kシリーズ カワイの黒ピアノのシリーズです)という感じ。
詳しくは河合楽器のHPで!!

【YAMAHA・アップライトピアノ】
YUS5 > YUS3 > YUS1 (YUSシリーズ 一番高級なクラスです)
YU33 > YU11(YUシリーズ スタンダードなクラスです)
b113 > B121 (bシリーズ 廉価版)
詳しくはYAMAHAのHPで!!

こんな感じ・・・、カワイとヤマハではクラス分けの仕方がちょっと違うので説明しずらいのですが(^^;)
これに木目調のピアノも加わるとややこしくなるので、やめます。

今回は”アグラフ”という部品に注目してみます

さて、こうしたランク・クラスの違いってどこからくるのでしょうか・・・。
それをこれから書いてみたいとおもいますが、初回は”アグラフ”という部品に注目してみます。
アグラフとは弦抑え機構の一種で、弦の間隔をそろえるためのものです。
以下、写真付きでご説明します。

あー、なんかいきなりマニアックな部品からですみません。
本来でしたらわかりやすく「背の高さ」とかから書けばわかりやすいのでしょうけど・・・、ごめんなさい行き当たりばったりで。
ピアノ アグラフ
こちらは、YAMAHAのU7Hというピアノ。

発売当時、YAMAHAの最上位機種でした。

こちらのピアノは最上位機種らしく「総アグラフ」です・・・。

ピアノ アグラフ
それでは、アグラフという部品を見てみましょう。

ピアノの上前板をとって、弦を見てみますと・・・・、

弦の上部にきれいに並んだ小さな金属の部品が見えますか?

これが「アグラフ」です。

ピアノ 上位機種
わかりやすいように、通常のスタンダードモデルと比較します。

こちらは上記写真と同じ部分です・・・、細長い金属部品がついていますね。
これは「フレッシャーバー」といって同じく弦抑え機構なのですが、こちらはスタンダードモデルに採用されています。

ピアノ 上位機種
ここで前もってご説明しておかなければならないことがあります・・・、
ピアノは1つの音に対し3本の弦が張られています。
(低音部は1本、もしくは2本)

この3本の弦がアグラフの中を通っているのですが・・・、
わかりますかね?

ピアノ上位機種
いかがでしょうか?

アグラフという部品には弦を通す3つの穴が開いていて、そこに3本の弦が通っています
そう、これが上位機種ならではの部品なのです。
(「総アグラフ」とは低音~高音まで、すべての弦にアグラフが使われているという意味です、モデルによっては低音部にのみアグラフが採用されていますが、低音部のみですので「総アグラフ」とは言いません)

「総アグラフ」だと何がいいのか?

総アグラフが採用されているピアノは何が良いのでしょうか・・・。

それは「約280本の弦の間隔が(非常に精密に、いつまでも)等しい」ということです!!
これは「低音~高音までの音色にバラつきがない」ことを意味し、そのピアノ全体の音の統一感を生み出すことになります。

もちろん、通常のスタンダードモデルでも一定の範囲内で弦の間隔は等しいのです。
が、ピアノを弾いているうちに微妙にずれてきたりします、弦の間隔が。
こうなると・・・、ピアノ全体の統一感が損なわれてしまいます。

アグラフはそれを防ぎ、いつまでも弦の間隔を(非常に精密に)等しく保ち、ピアノ全体の音の統一感を保つのです

いかがでしたでしょうか?
「ピアノの上位機種、何が違うのか?」の一回目はアグラフについて書いてみました。

夜は随分と涼しくなりました、みなさまどうぞご自愛ください。