event_20150905-800x1124みなさん、こんにちは(^^♪
なんだか急に秋が深まり、日が落ちると寒くなってきましたね。

さて、本日は前回の続き、赤坂の「ベヒシュタインセンター」にて行われました「第4回 ベヒシュタイン・デー 音色の違い~ベヒシュタイン・スタインウェイ・フォルテピアノを聴き比べながら~」というイベントのお話です。

スタインウェイ・ベーゼンドルファー・ベヒシュタインで同じ曲を弾いてみたら・・・

今回のイベントでちょっとしたクイズ(?)がありました。

「今から同じ曲をスタインウェイ・ベーゼンドルファー・ベヒシュタイン、それぞれで弾いた曲の録音を流します、何番目の演奏がどのピアノかはもちろん秘密です、全て聴いて頂いたあとにご質問します、『みなさんはどのピアノの音色が好みですか?』」

とまぁ、あくまでも『どの音色が好みか?』という質問なのですが、ここは赤坂のベヒシュタインセンターです。
当然、どの演奏がベヒシュタインで演奏されたものか当てに行きますよね・・・、「あ、3番目の演奏の音色が好きです!!、えっ、3番がベヒシュタイン、やっぱり良い音色ですよね!!」という感じにしたいわけです。

さて、このクイズ、私は正解できたかどうか?
はい、正解でした(自慢したってしょうがないのですが(^^;)、での本当のところはかなり危うかった・・・)

スタインウェイはすぐにわかったのですね、他の2つの演奏とは明らかに違うキラキラした感じ、これは絶対にベーゼンドルファーでもベヒシュタインでもない、スタインウェイだって・・・。

でも残りの2つは結構迷いました、1つは「木の温もりを感じられる優しい音色」、もう1つは「とっても甘~い感じの音色」って感じです。
正解は「木の温もりを感じられる優しい音色」がベーゼンドルファーで、「とっても甘~い感じの音色」がベヒシュタインでした。

「無駄に響かせない」ベヒシュタイン

このイベントではベヒシュタインの音に対する哲学とそのピアノの構造についてのお話もありました。
そのお話の中でとっても象徴的だったものをご紹介します。

ピアノにとって非常に重要な部分、「響板」のお話です。
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これはベヒシュタインの響板の写真。

赤マルの中に棒状のものが確認できます。

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こちらは他社の響板の写真。

ベヒシュタインにはあった棒状のものがありません。

これは、「除響板(カットオフ・バー)」といって「(余分な)余韻をなくす」ための装置で、ベヒシュタイン特有のものです。
「(余分な)余韻をなくす」=「無駄に響かせない」=「クリアーな音がする」ということなのですね。

この考え方と全く逆なのが、スタインウェイ

ベヒシュタインと全く逆の発想をしているのが、高級ピアノの代名詞、スタインウェイです。
言い方が乱暴ですが「フレームも含めて鳴らせるものは全部鳴らしちゃう」という発想。
ですので、ピアノの音に迫力があります。

国際的なピアノコンクールやコンサートでスタインウェイが多く選ばれているのは、こうした理由からです。
大抵は大きな会場で開催されますので、そうしますと「迫力のある音」のスタインウェイがいいんですね。

逆にベヒシュタインは小さな会場・ホール、あるいはご家庭での演奏と相性が良いピアノと言えますね。
無駄な響きがなく、クリアーな音はこうした場所の方が良さが引き立ちます。
(基本的にご家庭用である)アップライトピアノはベヒシュタインの評判が良いのもうなずけます(^^♪

おまけ・ベーゼンドルファーについて

さて、前回のお話で3大ピアノの1つベーゼンドルファーがYAMAHAの傘下になったと書きましたが、このことについて・・・。

確かに、「傘下になった・・・」というと、
「えっ、三大ピアノの1つなんでしょう!?、何でYAMAHAの傘下になるの?」なんてイメージがあるかもしれません。
実はベーゼンドルファーに限らす、スタインウェイも何度も投資ファンドが買収したりしています。

あっさり「経営難」と言えばそうなのですが、どうしてそうなるかというと・・・、「ビジネス・商売」としてピアノを製作していないってことなんでしょうね・・・。
スタインウェイ・ベーゼンドルファー・ベヒシュタインは全て手作りです!!
なので、これらのピアノは・・・、
アップライトピアノで¥3,000,000-~、
グランドピアノで¥10,000,000-~
という値段なのです。

誤解されては困るのですが、YAMAHAだってKAWAIだって良いピアノなんですよ。
これだけ故障が少なく、ちゃんとした品質で、しかもお手頃(3大ピアノに比べ)なんですから(^^♪

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さて、2週に続けてベヒシュタインピアノのイベントについて書きました。
こうしたベヒシュタイン・スタインウェイ・ベーゼンドルファーといったピアノに触れる機会はそう多くありません。

考えてみれば当たり前なのです。
日本にはYAMAHAやKAWAIがありますので、ほとんどが国産のピアノです。(っていうかほとんどYAMAHAですよね・・・。)
ご存知ない方もいらっしゃると思いますが、世界市場でもYAMAHAのシェアは圧倒的です!!

私も今回のイベントは大変勉強になりました。

さて、私の周りでは体調を崩している方がチラホラ・・・。
急に寒くなりましたからね・・・、皆様どうぞご自愛ください(^^)/