みなさま、こんにちは(^^♪

8月末は随分と涼しく(涼しいを通り越して寒いくらいでしたね)感じましたが、さすがにまだ秋とはいかず9月に入って少し暑さがぶり返してきました。

さて、今週は「”上位機種”のピアノって何が違うのか」の二回目です。
今週は「トーンエスケープ」という機能について書いてみたいと思います(^^♪

「トーンエスケープ」=「音の出口」

ピアノの上位機種には「トーンエスケープ」って機能が備わってます。
(この言い方は誤解を生むかも・・・、これから説明しますが「トーンエスケープ」機能はいくつか種類があります。実はスタンダードモデルでも「トーンエスケープ」機能はありますが『上位機種の方が「トーンエスケープ」が多い』と理解してください。)

「トーンエスケープ」とは「音の出口」って意味です。

トーンエスケープ・上前板

トーンエスケープ
写真はヤマハのスタンダードモデルU1Hというピアノ

鍵盤上部の板にご注目ください。

こちらは何の変哲もない一枚板なのに対し・・・・、

トーンエスケープ
こちらはヤマハの木目シリーズの中で上位機種に該当するW106というモデル。

こちらの板は三枚の板で構成されています。

トーンエスケープ
わかりやすいように、拡大します。

三枚の板の間にちょっとした「すき間」がありますでしょう・・・。
これが「トーンエスケープ」機能といって、この「すき間」から音が出るんです!!

トーンエスケープが付いてると何がいいのか?

響板
アップライトピアノの音は、(主に)ピアノの裏側にある「響板」という板から出ていますので、ピアノの裏側から出る音はクリアーに聴こえます。

(まぁ、通常の設置状況を考えれば、ピアノの裏側から音を聴くことはないですよね・・・、演奏者は当然前から聴きますし)

それに対し(アップライト)ピアノの前面は板におおわれています
ですので、どうしも音がダイレクトに伝わらず「ちょっとこもった感じ」になるんですよね。

「トーンエスケープ」機能は”音の出口”を作ることで、ピアノの前面から出る音をクリアーにするのです(^^♪

トーンエスケープ・下前板

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それでは、他の「トーンエスケープ」を見てみましょう。

こちらは、ピアノの足元に付いている板。

この板にも上位機種には「トーンエスケープ」があります。

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こうして、ピアノの足元からも音が抜けるように工夫されているのです。

トーンエスケープ・譜面台の裏側にも・・・

ピアノ 譜面台
確かこれは以前にも紹介しましたが・・・

譜面台の裏側にもトーンエスケープがある機種もあります。

こちらはヤマハの上位機種UXです。

ピアノ 譜面台
譜面台を外し、裏側を見てみましょう。

ほら、穴が開いていますでしょう・・・。

ここから音が抜けるわけです(^^♪

グランドピアノの場合は自分で大屋根(ピアノの大きなフタ・・・、わかりますよね(^^;))を開け閉めできますが、アップライトピアノの場合は基本的にできません。
(アップライトピアノ前面の板を外すのは調律のときくらいでしょうか・・・。)

ですので、アップライトピアノの上位機種には「弾き手・聴き手によりクリアーな音を」というコンセプトで様々な「トーンエスケープ=音の出口」が付いているのです。