皆さん、こんにちは(^^♪

私の住む千葉県では7月に入ってからはずーっと雨です。
こんな梅雨らしい梅雨も久しぶりな感じがいたします・・・。

今日は、「一回のタッチで二回音がでる」ピアノについてです・・・。
ときどきあるんです・・・、こういう症状のピアノ。

通常は一回のタッチで一回の音です(当たり前です)

「一回のタッチで二回音がでる」って言われてもわからないですよね・・・、

つまりこんな感じです。
「ド」の鍵盤をタッチします・・・、すると通常は「ド」の音が一回でますね・・・、ただまれに「ド・ド」と音が二回でるピアノがあります・・・。これが「一回のタッチで二回音がでる」ってことです・・・。

これはもちろんあってはならないことです・・・。

こちらがそのピアノです・・・

ピアノ リバウンド
問題の鍵盤は「ソ♯」

お弾きになっている方は気づかなかったようですが・・・
というのも、この「一回のタッチで二回音がでる」という症状、フォルテのような強いタッチだとちゃんと「一回のタッチで一回の音」なのにピアニッシモのような弱いタッチで症状がでるというケースも多く、本当に微妙なんです。

原因は・・・「鍵盤の高さが低くなっているから」

鍵盤 リバウンド
では、なんでこんな「一回のタッチで二回音がでる」なんてことがおきるのか・・・・
理由は「鍵盤の高さが低くなっているから」なんです

といっても何のとこだかわかりませよね・・・、それではお見せします!!
この白い棒が鍵盤の高さを図る定規です(ならし定規っていいます)

鍵盤 ならし
この定規を問題の鍵盤の上にそっと置いてみると・・・・、

ほら、どうでしょう!?

問題の「ソ♯」の鍵盤が低くなっているのがわかりますでしょう!?

鍵盤の高さが低いとなんでこんな症状になるのか・・・、これを説明すると長くなるのでその説明はここでは割愛します(手抜きじゃありません(^^;))
ではなんで鍵盤の高さが低くなってしまうのか・・・。
もちろん出荷時の新品ピアノは鍵盤の高さはきれいにそろっています。
ただ、時間が経過するにつれ、鍵盤下の棚板という板が変化したり、または鍵盤下のフェルトが変化したりと様々な部品の経年変化で鍵盤の高さが不ぞろいになってくるのです・・・。
ですので、厳密にはこうした「一回のタッチで二回音がでる」という症状になる前に各鍵盤のタッチ感がバラバラになっていきます。

修理は・・・、鍵盤の高さをそろえます!!

鍵盤 高さ調整
というわけで、鍵盤を外しました(簡単に外れます・・・)
鍵盤の高さを調整する場合は写真の赤く丸いフェルトの下に薄い紙(パンチングペーパーっていいます)を入れていきます。

鍵盤の高さ調整
問題の箇所のフェルトを取り外して・・・、

鍵盤の高さ調整
このドーナッツ状の薄い紙を入れます・・・。
この薄い紙、薄さ0.03mm~0.75mmまで様々な厚さがありまして、一番適した厚さの紙を入れます。
(なので、意外に時間がかかります(^^;))
今回は、0.15mmの厚さの紙を入れました。

鍵盤の高さ調整
これで修理完了です(^^♪
もう一度、高さを図る定規をそえて確認します。

もちろん、フォルテシモ~ピアニッシモまで音を出して確認します。

今回の修理は「一回のタッチで二回音がでる」という症状を直すためのものでしたが、鍵盤の高さ不ぞろいだと・・・、実はタッチ感も不ぞろいなんです。
そうなるとやっぱり弾き心地も良くありません(^^;)

機会があれば、普段はあんまり気にしない(と思う)鍵盤の高さ、ちょっと見てみてください(^^♪