”正しいピッチ”で「解像度の高い耳」を創る
調律は「音(程)を合わせる作業です」
弾き手、特にお子さまにとっての意味は
「音感のものさし」
「解像度の高い耳」
を創る、ということになります。
「音楽を聴く」
「音楽を演奏する」
両方の場面において、「解像度の高い耳」は
音楽への理解を深めてくれます。
最低音 A0(ラの音:27.5ヘルツ)~最高音 C8(ドの音:4186ヘルツ)を合わせる
鍵盤の数は「88鍵」
ピッチは「27.5~4186ヘルツ」
弦は「約230本」
を正確なピッチ(音程)にしていきます。
中音域の「音階」をつくって -割り振りと云います-
その音階を、高音域・低音域に”移して”行きます。
最後はひとつひとつの音の「粒立ち」をつくって終了
「音階」「オクターブ」「ユニゾン」
の全てが調和することが理想です。
「平均律」と 「純正律」について
ピアノの調律にはいくつかの方法 ー音階をつくる上でのルール があります。
「平均律」と「純正律」
主に用いられるのは「平均律」。
私たちが普段耳にする音楽のほとんどはこの”平均律”に基づいて作られています。
純正律 ー自然で美しい響きー
音程は周波数の比で表されます。
純正律は、自然倍音列に基づいた、数学的にシンプルな比率を用いて音程を決定します。
「完全5度(ドとソ)は周波数比3:2」
「完全4度(ドとファ)は4:3」
これらの音程は非常に”美しく調和”します。
純正律による和音は「透き通るような響き」を持ちます。
しかし、純正律には大きな欠点があります。
「すべての調で美しく響かせることができない」
C(ド)を基準に調律した場合、C dur(ハ長調)や近い調では美しく響きます。
”転調を繰り返していく”と、音程のズレが顕著になり、不協和音が目立つようになってしまいます。
平均律 ーすべての調で演奏可能にするための妥協ー
平均律は、「オクターブ」を”12等分”することで、
すべての半音程の周波数比を一定にします。
これにより、どの調で演奏してもほぼ同じ響きが得られるようになります。
転調を繰り返しても、不協和音が目立つことなく、自然に音楽を展開することが可能になります。
しかし、この「均等化」は、純正律の持つ純粋な響きを犠牲にすることでもあります。
平均律における”完全5度”や”完全4度”は、純正律と比べると「わずかにズレて」います。
平均律の和音は、純正律に比べると「やや濁った響き」です。
「ピアノ調律」はこの「ズレ」を創ることにあります。
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