ピアノの状態を確認します ~メルカリで中古ピアノを買う前に~
「メルカリ」でピアノを購入される方が増えました。
現在も数多くのピアノが出品され、その多くが「SOLD」になっています。
私も「メルカリで購入した」ピアノの”運送見積もり”や”調律依頼”の連絡をいただきます。
実感としても「増えた」と感じますね。
とても賢い選択の1つだと思いますが、そこに”リスク”があることも事実です。
「思ったよりも汚れが酷い」
「教室のピアノに比べて、タッチがモタモタする」
「音が出にくい鍵盤がいくつかある」
「画像」や「説明欄」だけではわからないことも、たくさんあります。
”現物を見て”、”試弾”される方もいらっしゃいますが、それでも「内部の状態まではわからない」のです。
云うまでもなく、「ピアノ」は「高額商品」です。
購入される方の不安は尽きません。
ピアノの状態を技術者として点検し、10年後の状態も想像しながら「購入希望者」及び「出品者」のみなさま、双方にとりましてより良い取引となりますよう、専門知識を生かしたいと思っています。
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目次
- メルカリでの中古ピアノ購入について考える(出品者画面・確認のポイント)
- ピアノ点検サービスの内容・項目について
- 報告書について
- ご利用の流れ
- 点検サービスの料金について
- ピアノの運送・配送について
- 最後に・・・
メルカリでの中古ピアノ購入について考える
”ピアノという楽器”について「正しい認識」を持つことの大切さ
ピアノは極めて”精密”な製品です。
部品の数は「7,000~12,000点」。
しかも素材は「木材」や「フェルト」といった天然の素材。
設置環境や使用状況によって「形そのもの」や「質的」な”変化”を伴います。
また、1つ1つの部品は「0,02mm」ほどの精度が求められます。
また、「個体差」が大きいという点も「ピアノ」という製品の特長です。
「同じメーカー」
「同じ品番」
でも違うのです。
車や電気製品と”明らかに異なる”点ですね。
「画像」や「説明欄」から何がわかるか
「メルカリ」に出品されているピアノを見てみます。
多くの「画像」や丁寧な「説明」が書かれています。
「画像欄」からは、”外観の状態”や”メーカー”、”品番・機種名”などの「ピアノ本体の基本情報」が確認できます。
「説明欄」からは”寸法”や”管理状況”、”設置場所”など、「ピアノの周辺情報」が確認できます。
出品者の方々、みなさまとても丁寧なご説明をされているという印象です。
ただ、上記の情報から「何が分かるか」と云えば、
「そのピアノの基本スペック」
「周辺情報」
であって「ピアノの(詳細な)状態」ではありません。
「最終の調律時期」や
「調律点検カード(メンテナンス履歴が書かれている)」も
「メンテナンス時期」の”事実”は確認できますが、それをもってしても「状態」は確認できないのです。
「メルカリ」でのピアノ選び ~確認のポイント~
それでは実際の「メルカリ」からピアノを探し、「出品者画面」から確認のポイントを解説してまります。
検索窓には
「アップライトピアノ」もしくは
「グランドピアノ」と入力してみてください。
「付属品(ピアノカバー等)」も出てきますが、「おすすめ順」で良いかと思います。
【① 商品名】
ここでは
「メーカー(YAMAHA ・KAWAI等)」「その他の情報」
が掲載されています。
「品番・機種名(UX-1等)」
「付属品(ピアノ椅子等)」
などが確認できますね。
その中で重要なのが「品番・機種名」です。
そのピアノの「グレード」と「寸法」が分かります。
「グレード」などと言うとかえって混乱されるかもしれませんが、家電製品や電子機器のようにグレードの種類が数多くあるわけではあません。
誤解を恐れずに非常におおまかに分類すると
「ハイグレードモデル」
「スタンダードモデル」
になるかと思います。
この「品番(機種名)」をGoogleなどで検索いただくとおよそのことはわかります。
次に「寸法」についてです。
出品者の方がご記入いただいている場合もありますが、基本情報としては、
間口は147~156cm
奥行き60~68 cm
例外はありますが、高さは121cmタイプと131cmタイプに分かれます。
【② 価格】
まずは「ご予算に合ったものを」で良いかと思いますね。
「価格が高い」=「ハイグレードモデル」「状態が良い」とは限りません。
その逆もしかり。
ここがとても難しいところです。
また、「本体の価格」だけでなく、「運送費」「付属品(椅子・インシュレーター)の有無」を含めた「トータルコスト」で判断することは重要かと思います。
【③ 画像】
「汚れ・傷」等の”およその”外装状態を確認できます。
「ペダルの数」と「製造番号(6桁・7桁の数字)」が確認できる場合があります。
「製造番号」はとても重要です。
そのピアノの「年式」を確認できるからです。
こちらもGoogleなどで検索(例:YAMAHA 製造番号一覧など)いただければすぐに確認ができるかと思います。
【④ 商品の説明】
出品者のみなさま、とても丁寧にご記入している印象です。
「メーカー・品番(機種名)・製造番号(年式)」
といった基本情報
「メンテナンスの状況・汚れや傷の状態・付属品」
「設置状況(○○市 戸建ての1Fに設置)」
などが記載されています。
一番気になるのは「メンテナンスの状況」でしょうか。
「最終調律年は○○年です」という記載がある場合があります。
これを車の「車検」のイメージでとらえることは、あまり本質的ではありません。
車検は「自動車の安全性を確保するために、車の状態を確認すること」ですが、調律は「演奏上問題がないかという視点で、ピアノの状態を確認すること」ではありません。
こそは質的に異なるので、注意が必要かと思います。
例えば、
直近の調律が「2025年」でも、その前が「2005年」 (つまり20年ぶりに調律している)ピアノ。
直近の調律が「2022年」で、その前が「2019年」「2016年」「2013年」(つまり3年おきに調律している)ピアノ
どちらが良い状態にある可能性が高いか、と言えば後者でしょうか。
もちろん例外はあります。
また、「設置状況(○○市 戸建ての1Fに設置)」は「運送費」に直結します。
多くの場合、運送費は購入者負担になっています。
2階以上に設置されている場合、運送費が増額します。
このことは考慮すべきかと思います。
【⑤ 商品の情報】
「カテゴリー」
「ブランド」
「商品の状態」
「配送料の負担」
「配送の方法」
「発送元の地域」
「発送までの日数」
言うまでもなく「発送元の地域」はポイントです。
基本的に配送料は「購入者負担」になっています。
都道府県を大幅に超えての輸送となると、費用もそれなりにかかってきます。ピアノの運送・配送については後述していますので、ご参考になさってください。
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ピアノ点検サービスの内容・項目について
ピアノを点検するとき(これは、このメルカリ購入前点検に限りませんが)に留意することがあります。
「10年、20年弾くこと」
を想像すること。
結果としてそうならいこともあります。
ただ、ピアノは家電製品と違い人間の寿命と変わらない長さの寿命をもつものです。
そうした時間軸で見ていくことは、欠くべからざる視点です。
そうした観点から以下の6項目としています。
また、大切なことはこの6項目それぞれが「有機的」に繋がっているということ。
1項目だけを取り出して、各論を論ずることに本質的な意味は少ないと思っています。
ピアノは「ボディ」も含めて、音が鳴ります。
そうした視点でフェアな立場で、購入希望者のみなさま、出品者のみなさまにとってより良い取引となるようピアノを診ています。
点検内容・目次
①-1 音程について ~「正しい音程」と「安定度」~
ピアノ選びで気になることの一つが「調律の状態」。
「定期的に調律されているか」
「最後の調律がいつ行われたか」
でおよそ察しがつきますが、「音叉」と「チューナー」で確認します。
ピアノの音程は、「弦の張り具合」によって決まります。
時間経過や環境の変化(温度・湿度)、そしてピアノ自身の構造によって、その張り具合は少しずつ変化し、結果として音程がくるってきます。
点検項目:【音程】☐ 要調律 /☐ 調律推奨/☐ 比較的安定
状態:ピアノ全体の基準となる音の高さ(ピッチ、通常A=440Hz~442Hz)が、基準値から大きく下がってしまっている状態です。☐ 調律推奨
状態:ピアノ全体の基準ピッチは概ね保たれていますが、隣り合う音とのバランス(音階)、オクターブの響き、同じ音を出す複数の弦の響き(ユニゾン)などに乱れが生じている状態です。☐ 比較的安定
状態:基準ピッチも、音階・オクターブ・ユニゾンといった調律の各要素も、比較的安定している状態です。【購入者にとっての意味】
上記の通り3段階で評価しています。
専門家にあるまじき「単純化」ではありますが、購入希望者にイメージできるように致しました。
注意が必要なのは、「要調律」状態で、ピアノ全体の基準となる音の高さ(ピッチと言います、通常は440Hz~442Hz)が極端に下がっている場合。
「ピッチ上げ」という弦全体に負担をかける作業が必要な場合があります。
複数回調律しないと安定しない、という場合もあります。
購入後すぐに演奏を楽しみたい、という方の場合はこの点を考慮すべきかと思います。
「調律推奨」「比較的安定」状態であれば、標準的な調律作業で安定する可能性が高いと言えます。
①-2 メンテナンス履歴について ~「調律カード」から見えてくるもの~
ピアノの「上前板」の裏側に「調律・検査カード」というものが入っています。
「品番(機種名)」
「製造番号(年式)」
及び、いままでの「メンテナンスの履歴」が記録されています。
上記の情報から今の状態を予測することができます。
点検項目:【メンテナンス履歴】 製造年月日 / 調律カードの有無 / 直近の調律履歴
点検内容:ピアノ本体や付属の調律カードに記載されている製造番号から、製造年を特定します。<調律カードの有無>
点検内容:過去の調律や修理の記録が記載された「調律カード」がピアノに付属しているかを確認します。
(有り・無しのチェック)<直近の調律履歴>
点検内容:調律カードがある場合に、直近5回分の調律年月日を確認・記載します。【購入者にとっての意味】
重要なのは「製造年」と「メンテナンス履歴」でしょう。
ピアノは適切なメンテナンスを行えば70年~80年、あるいはそれ以上活躍できる楽器です。
例えば、画像のピアノは昭和53年(1978年)製造。
あと20年~30年は活躍してくれることになります。
お子さまのピアノレッスンを想定した場合は充分その期待に応えられる、といったイメージですね。
メンテナンス履歴については少々詳しい説明が必要です。
直近の調律が「2025年」でも、その前が「2005年」 (つまり20年ぶりに調律している)ピアノ。
直近の調律が「2022年」で、その前が「2019年」「2016年」「2013年」(つまり3年おきに調律している)ピアノ。
もちろん例外はありますが「3年おきに調律している」方が、良い状態にあると言えると思います。
② ペダルについて ~”表現”に関わる各ペダルの「機能」と「動作」~
ペダルに不具合があることは稀です。
ただ、購入後に
「ペダルを踏んでも音が小さくならない」
「ギーギーと雑音がする」
となると、とても悲しい気持ちになりますね。
点検項目:【各ペダルの状態】☐ 正常 / ☐ 異常あり
ダンパーペダルは踏んでいる間、弾いた音を持続させ、豊かに響かせるペダルです。
実際に踏んで「音の伸び」「音の止まり」や「雑音」を確認します。
主にアップライトピアノに装備されており、音量を大幅に下げるためのペダルです。
弦とハンマーの間にフェルトが下りてきて、打鍵音を和らげます。
ペダルを踏んで「音量の変化」を確認、「フェルトの状態」は目視にて点検します。
ソフトペダルは音量を少し抑えると共に、音色を柔らかく、優しく変化させるためのペダルです。
ペダルを踏んで、ハンマーレールの動きを確認します。雑音も確認します。【購入者にとっての意味】
ペダルに不具合があることは多くありません。ただ、出品者のみなさまも「ペダルの動作」まで、確認されていなことが多い。
技術者ですら、見落としがちなポイントですから無理もないのですが。 「防音」の機能であるマフラーペダルと
「音楽表現(ハーフペダル等)」に関わるダンパーペダル
は、使用することの多いペダルです。
「機能しているか」も大切ですが、ペダルを踏んだときの「雑音」も確認しています。
③ 鍵盤部について ~ピアノによってかなり異なる「タッチの重さ」と「動作」~
鍵盤は、不具合(鍵盤が上がりにくい)もさることながら、タッチの重さという「ピアノの個性」が最も顕れるところでもあります。
この「弾いた感覚」というのは1台1台違います。
本当は「試弾」するのが一番良いのですが、それが叶わぬ方のために「弾き心地」に直結する4項目を選びました。
そのピアノが持つ「個性」と、現在の状態を明らかにします。
点検項目:【タッチの重さ(ダウンウェイト)】 低音部 ○○g / 中音部○○g / 高音部○○g
低音域・中音域・高音域からそれぞれ代表的な鍵盤を選び、その鍵盤が静かに沈み始める重さ(ダウンウェイト)を、専用の分銅(おもり)を使って測定します。(例:低音域 52g程度)
一般的に、新品のピアノでは50g~55g程度が標準的な範囲。【購入者にとっての意義】

この測定値は、鍵盤を静かに押したときの重さ(静荷重)を示すもの。
実際に演奏したときに指で感じる「タッチの重さ(弾き心地)」とは完全には一致しませんが、ひとつの指標として用いられています。購入希望のピアノのタッチが「重い」のか、「軽い」のか。
標準的なピアノに比べて「どの程度」の重さなのか。タッチの重さは「個人の感覚」に依るところも大きいのですが、数値化することである程度の予測はつきます。
また、標準的なものと比べることで「選ぶ」ことの基準となるかと思います。
点検項目:【鍵盤の動き】 ☐ 正常 / ☐ 一部に動きが鈍い鍵盤あり / ☐ 複数個所に動きが鈍い鍵盤あり
88鍵ある全ての鍵盤を動かし、引っかかりなくスムーズに上下するかを確認します。
動きが鈍い、戻りが遅いといった症状(スティック)がないかをチェックします。【購入者にとっての意義】
「長期間弾かれなかったピアノ」「湿度の高い環境に置かれていたピアノ」こうしたピアノは鍵盤の動きが鈍くなる傾向にあります。「トリル」「連打」「パッセージ」が難しかったりするとと、表現の幅が狭まりますね。
簡単な調整で改善することも多いですが、状態によっては修理が必要になることもあります。事前にこの状態を知っておくことで、購入後の対応(修理の要否、費用感)を予測できます。
点検項目:【ブッシングクロス】 ☐ 良好 / ☐ 劣化あり(使用可) / ☐ 劣化あり(交換推奨)
鍵盤の穴の内側(鍵盤を支える金属ピンとの接触部分)に貼られている、赤色のフェルト(ブッシングクロス)の状態を目視や触診で確認します。摩耗の度合いを評価します。【購入者のとっての意義】
ブッシングクロスとは、鍵盤が上下運動する際に、クッションの役割を果たすフェルト部品です。これが鍵盤の左右のガタつきを抑え、スムーズで静かな動きを助けています。ピアノの代表的な摩耗部分です。
劣化が進むと「カチカチ」といった雑音や鍵盤の左右のグラつきなどの原因になります。中古ピアノではある程度の劣化が見られるのが普通です。
「劣化あり(使用可)」のレベルであれば、多くの場合、そのまま使用しても大きな支障はありません。注意を要するのは、「虫喰い被害」でしょうか。
事前にこの状態を知っておくことで、購入後の対応(修理の要否、費用感)を予測できます。
点検項目:【鍵盤の高さ・深さ】低音部○○mm / 中音部○○mm / 高音部○○mm
低音域・中音域・高音域の代表的な鍵盤について、専用の定規や測定器を使い計測します。
白鍵と黒鍵の高さ、
隣り合う白鍵同士の高さが揃っているか、
そして鍵盤がどこまで沈むか(深さ)を測定します。
結果はミリ(mm)で記載します。(例:中音域 高さ ○○mm / 深さ ○○mm)【購入者にとっての意義】

「鍵盤の高さ・深さ」
「ピアノの整調(せいちょう)」
初めて聞く、という方も多いのではと想像します。
これらは定期的な調律(1年~2年毎推奨)に比べ、10年~20年毎に点検される項目ですので、無理もありません。誤解を恐れずに言うと、上記項目が「適正値」あるいは「均一」であれば「弾きやすいピアノ」と言えると思います。
「高さが不揃い」であれば、指が引っかかりやすく弾きにくい
「深さが浅い」のであれば、力強い音が出ない
「深さが深い」のであれば、コントロールしにくい、(弾いて)疲れやすい基準値より大きく外れる状態であれば、「弾きにくい」という感想を持つ場合もございます。
④ アクション部について ~「操作性」と「音色」を決定づける複雑な機構~
ピアノの内部には、
「アクション」と呼ばれる非常に精密で複雑なメカニズムが収められています。
これは、鍵盤を押す指の力を、弦を叩くハンマーの動きへと正確に伝えるための装置群で、数千もの細かい部品が連動して機能しています。
この点検項目では、これらの「装置群」が「スムーズ」に動いているか?を確認します。
購入後「なんかタッチがモタモタして弾きにくい」というのは、悲しい気持ちになりますからね。
点検項目:【ハンマー弦跡状態】 (浅・中・深)
この時、ハンマーの先端(主にフェルトでできている)には、弦に当たった跡(溝)が付きます。
これが「弦跡」です。
ハンマーフェルトに付いた:弦跡の深さを「浅い」「中間」「深い」の3段階で評価します。浅:用頻度が比較的少ないか、最近ハンマーのメンテナンス(ファイリングなど)が行われた可能性があります。
フェルトはまだ十分な弾力を保っていると考えられます。中:通常の使用によって付くレベルの弦跡です。多くの中古ピアノで見られます。深: 長年の使用により、弦跡が深く刻まれている状態です。フェルトが硬化し、弾力が失われている可能性があります。【購入者にとっての意義】

この「フェルトの状態」は「音色」に直接的に関わる部品です。ヤマハ・カワイといった国産メーカーは、それぞれ自社工場で製造していますが、欧州では「ハンマー」の専門製造メーカーが存在します。
(ショパンコンクールの常連、名器の代名詞スタインウェイは「レンナー社」のハンマーを使用)
ピアノパーツの中でも、それだけ奥深い部品です。使用頻度が高く弦跡が深い場合、フェルトが硬化して金属的で硬い音色になったり、逆に音量が十分に出なかったりする傾向があります。
また、消耗が進んでいるサインでもあります。
音色を改善するためにハンマーの整形(ファイリング)や、場合によってはハンマー交換といった修理が必要になる可能性を考慮する必要があります。私は「音色」に関しては「個人の好み」の問題だと思っていますので、ご参考程度にしていただければと思います。
点検項目:【フレンジコード切れ】 ☐ あり / ☐ なし
アップライトピアノのアクションに見られる、ハンマーのお尻の部分に取り付けられた細いコード(紐)です。
ハンマーが弦を叩いた後、スムーズに元の位置に戻るのを助ける役割があります。<点検内容>
アクションを外し目視で点検します。切れている箇所があるかを確認します。【購入者にとっての意義 】

この「フレンジコード」という紐ですが、結構切れているという印象。
消耗部品ですので、耐用年数は30年~40年といったところでしょうか。切れていても音は出ますし、操作性に問題を感じない方も多い。
後述する「スティック(湿気による動作不良)」に比べると、「フレンジコードが切れて」いてもそんなに影響はありません。ただ、ハンマーの戻りが不安定になり、特に速い連打がしにくくなったり、タッチに違和感が出たりすることがあります。
場合によっては、小さな異音の原因になることもあります。
点検項目:【ブライドルテープ切れ】 ☐ あり / ☐ なし
こちらもアップライトピアノのアクションに見られる部品。
ハンマーシャンク(ハンマーの柄)とウィペン(アクションの別の部品)を繋いでいるテープ状の紐です。
鍵盤を離した際に、ハンマーとウィペンが連動してスムーズに元の位置に戻るのを助けます。<点検内容>
ブライドルテープは「アクション前面」についているので、すぐに目視で確認できます。
完全に切れていない場合もあります(かろうじて繋がっている状態)ので、その際は記述欄にその旨を記入します。【購入者にとっての意義】

先ほどの「フレンジコード切れ」は操作性への影響は大きくありません。
一方「ブライドルテープ切れ」は、演奏に少なからず影響します。ハンマーの戻りが不確実になり、次の打鍵に備える動作が遅れたり、タッチに不安定感が出たりします。
特に弱い音でのコントロールが難しくなることがあります。
点検項目:【バットフレンジ動作不良】 ☐ あり / ☐ なし
ハンマーが回転運動をする際の「軸」となる部分です。
中央の金属ピンと、それを受けるクロス(ブッシングクロス)で構成されており、ハンマーがスムーズに動くための要となります。<点検内容>
いくつかのハンマーをアクションから外して、動きを確認します。
湿度の影響でのクロスの膨張やピンの錆などで、動きが非常に鈍くなるケースがあります。【購入者にとっての意義】
「音が出ている」という表記は、「スムーズに音が出ている」とイコールではありません。「1つ1つ音を出して確認」し問題を感じなくても、「曲を演奏する」と問題を感じる。こうしたことは比較的起こりうることですね。この部品の動作不良は「演奏」に直接的な支障をきたすことがあります。
程度によっては、修理(センターピン交換)が必要になることも。特に複数の箇所で発生している場合は、ピアノが置かれていた環境(湿度管理)に問題があった可能性も示唆します。
点検項目:【ジャックフレンジ動作不良】 ☐ あり / ☐ なし
鍵盤からの力をハンマーに伝えます。
弦を叩く直前でハンマーを突き放す(レットオフさせる)という、アクションの中でも極めて重要な役割を担う部品です。
このジャックも回転運動をするため、フレンジ(軸)を持っています。<点検内容>
いくつかの該当部品をアクションから外して、動きを確認します。【購入者にとっての意義】

同じキーを連続で弾いたとき「最初の音は(問題なく)出るが、2番目以降の音が出ない(出づらい)」という症状。
こうした場合、ジャックの動作不良を疑います。前項目「バットフレンジ動作不良」と同じく、
「1つ1つ音を出して」問題を感じなくても
「曲を演奏する」と問題を感じる
というのが、やっかいですね。この場合も修理(センターピンの交換)が必要なケースがあります。
点検項目:【ダンパー異常】 ☐ あり / ☐ なし
音を「止める」ための部品です。
フェルトが付いており、これが弦に密着することで消音します。
(一番右のダンパーペダルを踏むと、全てのダンパーが弦から離れます)<点検内容>
1つ1つ音を出して、「音の止まり」を確認します。
特にスタッカートで弾いた場合の「音の切れ」を確認していきます。【購入者にとっての意義】

ダンパーに問題がある場合があります。「音が止まらない」というケースは少なく、「雑音がする」ことが多いと思います。音の切れ際は気になることが多く、音楽表現において非常に重要だと思います。
調整で改善する場合もありますが、フェルトの交換や、より複雑な調整が必要になることもあります。
⑤ 外観・傷や汚れについて ~経験上「気になるポイント」を確認~
「ピアノの側面」に傷や汚れがあってもさほど気になりません。
「鍵盤蓋(ピアノの正面)」だとどうでしょうか。
私の経験上、これは気になるのですね。
外観の傷や汚れについても、そうした「優先順位」を付けて確認していきます。
点検項目:【外観の状態評価】(メルカリ基準準拠)
以前、メルカリでは出品者が商品の状態を以下の6段階で評価していました。
現在ではメルカリの「画像認識システム」の技術が向上しています。
商品の画像をアップロードすると、メルカリ側が「自動」で商品状態の評価が行われます。
-
新品、未使用
-
未使用に近い
-
目立った傷や汚れなし
-
やや傷や汚れあり
-
傷や汚れあり
-
全体的に状態が悪い
<点検方法 >
メルカリでの評価基準に倣って確認していきますが、先に述べました通りパーツに「優先順位」をつけて確認します。
「鍵盤蓋」
「鍵盤(上面・小口)」
「上前板」
「天屋根」
「脚部」
といった順でしょうか。
経験上、「外観の印象に与える影響度」によるパーツの優先度です。
【購入者にとっての意義】
例えば、ピアノの側面にやや目立つ傷がある場合。
そのことを「認識して」購入するのと、そうでないのでは違いますね。
商品が届いた後で「(目立つ)傷」を発見したとなれば、やはりショックです。
やよもすると「自分を責める」ことになりかねない。
ピアノは「高額商品」です。
上記のようなことがあった場合、その傾向が強く出るのではないでしょうか。
この項目では「どの部分・パーツに傷(汚れ)があると気になるか」の優先順位をつけながら、外装の状態をお伝えします。
⑥ 内部の状態について ~分解しないとわからない、内部の「ホコリ・サビ・虫害・カビ」~
普段目にすることのない内部はどうなっているのでしょうか?
ピアノの外装は「(楽器としての)機能」に影響ありませんが、内部の状態(ホコリ・サビ・汚れ)は直接的に影響します。
弦やチューニングピンといった「金属部分」のサビ。
ハンマー等の「フェルト部分」の虫害
鍵盤・アクション等の「木材」のカビ
こうして列挙してみると、外装以上に気になるのではないでしょうか。
ピアノは「リビング」や「子供部屋」に置かれることが多い。
”衛生面”でも気になりますね
この項目では、ピアノを分解し内部の状態を確認していきます。
点検項目:【内部の状態評価】 ☐ 比較的清浄 / ☐ 通常レベル / ☐ 清掃推奨 / ☐ 要対処・注意
状態:内部のホコリの蓄積は少なく、サビやカビ、虫害等の特筆すべき問題は見られない良好な状態です。
☐ 通常レベル
状態:経年や通常使用に伴う、ある程度のホコリの蓄積が見られます。
金属部品に軽微なサビが見られたり、わずかなカビの痕跡が見られたりする場合もありますが、現時点でピアノの機能や演奏に大きく影響するレベルではありません。
多くの中古ピアノがこの状態に該当します。
☐ 清掃推奨
状態: ホコリの蓄積が多く見られます。または部分的に目につくサビ、軽微ながらカビが発生している箇所が見られます。
(※特記事項に詳細を記載します)
☐ 要対処・注意
状態:広範囲なサビ(特に弦やチューニングピン)、活動中の虫害(またはその可能性が高い痕跡)、広範囲または深刻なカビの発生、ネズミなど小動物の侵入痕跡(糞や巣など)といった、衛生面やピアノの機能・耐久性に問題を引き起こす可能性のある状態。
(※特記事項に詳細を記載します)
点検項目:【特記事項】
上記のチェックボックスと連動し、内部の状態について特に注意すべき点や、確認された状況を具体的に記述します。
「棚板部分にカビ発生あり(範囲:小)」
「中音部弦にサビ多し」
「アクション内部に古い虫食いの痕跡あり」
などを記載していきます。
【購入者のとっての意義】
「(楽器としての)機能面」「衛生面」
「機能面」の影響という視点だと、「虫害」がポイントでしょうか。
先に述べました通り、ピアノ内部にはフェルト(羊毛)が多く使われています。
衣類に着く虫と同じで、フェルトが虫食い被害にあっている場合があります。
「衛生面」ですと、「カビ」「ホコリ」ですね。
言わずもがな、アレルギー症状を引き起こすものです。
内部の状態は、設置環境に大きく左右されます。
購入後20年経過したピアノでも、「かなりホコリが蓄積しているもの」と「そうでないもの」がありますね。
ある程度のホコリ・汚れであれば、購入後の調律時に調律師さんがお掃除してくれます。
ただ、例えば「カビが広範囲に繁殖」しているとなると、別途クリーニングが必要になる場合もあります。
⑦総評
ここでは、私の20年のキャリアから申し上げられることを記載しております。
前提としては「出品者」の方 ー思い入れのあるピアノを手放そうというのは、葛藤なしでは為しえないでしょうー と「購入希望」の方 ー云うまでもなくピアノは高額商品であり、希望に見合ったピアノを購入したいー の双方にとって良い取引となるよう、ひとりの技術者として力添えをすることにあります。
ピアノという楽器は「大変に息の長い」ものであります。
そうした視点 ー10年・20年先を見据えてー を踏まえてそのピアノについてコメントしています。
また、多くの「一般的なユーザー」の視点に立つことも忘れてはならないと思っています。
ピアノを、あるいは音楽を「職業」としている方と、「趣味」で楽しむ方では、その基準が異なって当然です。
調律師という「職業的倫理」に反することなく、また、専門家の「独善的」物言いにならぬことの両方を心掛けております。
メルカリ購入前ピアノ点検についてのご相談(フォーム)
電話でもお気軽に: 04-7129-6057
報告書について


メルカリ購入前ピアノ点検についてのご相談(フォーム)
電話でもお気軽に: 04-7129-6057
ご利用の流れ
ご利用方法はとてもシンプルなものにいたしました。
お客様に最適な方法をお選びいただき、スムーズなお取引を実現するよう尽力いたします。
ピアノの状態を確認する方法として、以下の2つの流れをご用意しております。
【方法1:試弾に同行】(推奨)
実際にピアノに触れて、音色やタッチを確認したい方におすすめの方法です。
<流れ>
-
出品者様へ連絡・試弾のアポイント:
-
購入希望者様ご自身で、出品者様に連絡を取り、ピアノの試弾を申し込みます。
-
【重要】その際、必ず「ピアノ専門の技術者(野沢ピアノ)が同行し、購入判断のためにピアノの状態を点検させていただきたい」旨を明確にお伝えいただき、出品者様の了承をいただきたく存じます。
スムーズな点検のため、事前にご理解いただくことが大切かと思います。
-
-
野沢ピアノへ同行依頼:
-
出品者様の了承が得られましたら、野沢ピアノへ試弾同行の日時と場所をご連絡いただき、ご依頼ください。
-
(事前にサービス内容についてご不明な点・ご要望などがございましたら、ご遠慮なくお申しつけ下さい。)
-
-
試弾・点検の実施:
-
決定した日時に、野沢ピアノが試弾に同行いたします。
-
購入希望者様が試弾されている間に、または試弾の前後に、技術者がピアノの状態を詳しく点検します。
ピアノ点検サービスの内容・項目について
-
-
点検結果のご報告:
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点検終了後、その場で、または後日改めて、購入希望者様に点検結果を詳しくご報告いたします。
-
【方法2:点検のみ(遠方にお住まい、または試弾の時間が取れない場合)】
遠方にお住まいで試弾に行けない、お忙しくて時間が取れない、という方でもご利用いただける方法です。
この方法では、野沢ピアノが購入希望者様に代わってピアノの所在地へ伺い、点検を実施します。
<流れ>
-
出品者様へ連絡・点検の了承依頼:
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購入希望者様ご自身で、出品者様に連絡を取り、「購入を検討しており、専門家(野沢ピアノ)によるピアノの状態点検サービスを利用したい」旨をお伝えいただき、出品者様の了承を頂ければと存じます。
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出品者様への伝え方のポイント(例):
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「大切なピアノですので、購入前に一度専門家の方に状態を確認していただきたいと考えております。」
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「点検費用は私が負担いたします。」
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「点検いただくのは野沢ピアノさん(ピアノ調律師)です。よろしければHP([野沢ピアノHPトップへのリンク])もご覧ください。」
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野沢ピアノへの連絡・日程調整:
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出品者様の了承が得られましたら、以下のいずれかの方法で野沢ピアノへご連絡ください。お客様と出品者様のご都合に合わせて、柔軟に対応いたします。
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【推奨:出品者様からのご連絡】
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購入希望者様から出品者様へ、「野沢ピアノのHP([お問い合わせ/専用フォームへのリンク])をご覧の上、専用フォームまたはお電話にて、点検ご希望の旨をご連絡いただけますでしょうか」とお伝えください。出品者様ご自身からご連絡いただくことで、よりスムーズに日程調整が進められます。
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【代替案1:購入希望者様による仲介】
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購入希望者様が出品者様と直接、点検の候補日時をいくつか調整します。
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調整後、購入希望者様から野沢ピアノへ候補日時をご連絡ください。
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点検日時が確定しましたら、出品者様の許可を得た上で、ピアノの所在地(ご住所)を野沢ピアノへお知らせください。
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【代替案2:野沢ピアノからのご連絡】
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購入希望者様が出品者様の許可を得て、出品者様のご連絡先(お電話番号など)を野沢ピアノにお知らせください。野沢ピアノから出品者様へ、失礼のないよう丁寧にご連絡させていただき、日程調整を行います。
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点検の実施:
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決定した日時に、野沢ピアノの技術者がピアノの所在地へ伺い、点検を実施します。
※ ピアノ点検サービスの内容・項目について
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点検結果のご報告:
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点検終了後、購入希望者様に点検結果を詳しくご報告いたします。
(メール、報告書など、ご希望の方法で対応いたします)
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<個人情報の取り扱いについて>
方法2の場合、点検場所の特定のため、出品者様のご住所等をお伺いする必要がございます。
野沢ピアノでは、お預かりした個人情報を「事前点検サービス」の実施目的にのみ利用し、関連法令および当社のプライバシーポリシー([プライバシーポリシーページへのリンク])に基づき、厳重に管理することをお約束いたします。
安心してご利用ください。
メルカリでのピアノ購入前点検のご利用についてのご相談(フォーム)
電話でもお気軽に: 04-7129-6057
点検サービスの料金について
点検料金
ピアノの種類に応じて、以下の料金となっております。
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アップライトピアノ点検: ¥12,000 (税抜)
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グランドピアノ点検 : ¥15,000 (税抜)
※表示価格は税抜です。別途消費税がかかります
出張料金について
野沢ピアノの基本的な出張範囲の場合は無料でございます。
基本的な対応エリア
千葉県、茨城県南部、東京都(東部・北部)、埼玉県(東部・南部)
上記エリア内であっても、当事務所(千葉県柏市)より片道1時間以上を目安に移動時間を要する場合、別途出張費(最大¥3,000 税抜) をお願いする場合がございます。
具体的な出張費につきましては、お申し込み時にピアノの所在地(市区町村まで)をお知らせいただければ、点検料金と合わせて事前にお見積りいたします。 どうぞご安心ください。
上記エリア外への出張について:
関東圏(群馬県、栃木県を含む)など、上記以外の地域への出張も可能な場合がございます。
「遠いかな?」と思われる場合でも、まずはお気軽にご相談ください。出張費を含めたお見積りをさせていただきます。
お支払いについて
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点検料金および出張費(発生する場合)は、点検当日に現金にて(試弾に同行の場合)お支払いをお願いしております。
- また、後日点検表をお送りする場合は銀行振り込みにてお願いをさせていただいております。
点検料金について、まずは相談してみる(フォーム)
電話でもお気軽に: 04-7129-6057
ピアノの運送・配送について
メルカリでピアノを見つけ購入したあと、多くの方が悩むのが「運送・配送」です。
出品情報の多くは「配送料:着払い(購入者負担)」「配送方法:未定」となっていますね。
メルカリ便なども利用できないため、購入者様ご自身で運送業者を探す必要があります。
みなさんお忙しい中で、この運送業者を探し手配するのはなかなかに労力を要します。
運送は「ピアノ専門」の運送・配送業者へ
みなさまのご想像通り、ピアノには「ピアノの専門運送会社」が存在します。
ピアノは250~300kgにもなる重量物であり、数千点の部品からなる精密な楽器です。
安全・確実に運ぶためには、ピアノの構造を熟知し、専門的な技術と機材を持つ「ピアノ専門運送業者」への依頼が良いと思います。
「多様化」するピアノ運送事情
今は情報が溢れている時代です。
ピアノ運送についても例外ではありません。
近年「ピアノ運送一括見積サイト」が登場し、搬出先・搬入先等の情報を入力するだけで複数の運送会社の見積もりが出てきます。便利になりました。
しかしながら、便利になった反面、数ある運送会社から1つに絞る作業は悩ましい作業になる可能性もあります。
一般の運送会社が「ピアノも運びます」という体で見積もりを出すケースも存在します。
例えば「戸建ての1Fから戸建ての1Fに移動」というとてもシンプルな移動であれば「運送会社の差」は出ませんが、少々複雑な作業 になると「運送会社の差」が出てきます。
最終的には運送会社の担当者と電話でやりとりをすることになりますが、その「電話対応」も含めてご判断されるのが良いかと思います
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(さらに詳しく知りたい方へ)
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ピアノ運送業者の選び方や、依頼時に必要な情報については、こちらの記事もご参照ください。
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ピアノの運送・移動について、より総合的な視点を知りたい方はこちら。
メルカリでピアノ購入後、ピアノ運送についてご相談してみる(フォーム)
電話でもお気軽に: 04-7129-6057最後に・・・
メルカリでピアノをお探しのみなさまへ
メルカリで「アップライトピアノ」と検索すると、本当にたくさんのピアノが見つかります。
魅力的な価格のピアノも多く、どれを選べば良いのかと悩まれる方も多いのではないでしょうか。写真や説明文から、メーカー、年式、外観の状態はある程度推測できます。
そして、多くの方が注目されるのが「値段」でしょう。一般的な中古ピアノ相場よりも抑えられた価格でピアノを手に入れられる可能性があるのは、メルカリの大きな魅力です。
しかし、忘れてはならないのは(ご想像の通り)、その「値段」が必ずしもピアノ本来の価値(グレード、質、そして最も重要な内部の状態)を反映しているとは限らない、ということです。
写真だけではわからない内部の消耗や、将来必要になるかもしれないメンテナンス費用までは、なかなか分かりません。
ここに、メルカリでのピアノ選びの難しさと、少なからず存在する「リスク」があります。この「点検表」はひとりのピアノ調律師として、ひとりの技術者として、ピアノの状態を分かりやすく「見える化」しています。また、「見える化」に伴い必然的に発生する「抜け落ち部分」については「テキスト化」して、些末な事柄にとらわれず、本質的な価値をお伝えできるよう努めております。
また、ピアノ選びは「どなたがお弾きになるか?」によって基準が異なります。
お弾きになる方のこともイメージしながら点検しております。「このピアノ、本当に大丈夫かな?」
「購入後に後悔したくない」そんな不安を解消し、納得して大切なピアノを迎えるためのお手伝いができれば幸いです。
ご不明な点や、「こんな場合はどうだろう?」といったご相談まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。出品者のみなさまへ
ピアノというものは不思議なものです。
私の20年のキャリアで「ピアノを売りたい」というお客様が、いざ買取業者による買取が決まってから「やはり手放したくない」と連絡いただくことが少なからずありました。「家族の記憶」が刻まれているからでしょう。
出品者のみなさまも、「ピアノを手放すこと」は悩み葛藤したのちの決断だったと思います。
この「メルカリ購入前点検サービス」は、購入希望者様からのご依頼に基づき、ひとりの技術者として、出品されているピアノの状態を確認させていただくサービスです。
このサービスをご利用になる購入希望者様がいらっしゃった場合、ピアノが設置されている場所へお伺いし、点検させていただくため、出品者様のご協力が必要不可欠となります。
突然のご連絡となり、お手間をおかけすることもあるかと存じますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。私たちの点検は、以下の点をお約束します。
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ピアノの状態を客観的に評価し、その情報を購入希望者様にお伝えします。
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特定の意図を持ってピアノの価値を不当に評価したり、自社の利益に繋げようとしたりするものでは決してありません。
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中立的な立場から、以下の実現をサポートします。
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購入希望者さまが安心して購入判断を下せること
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出品者さまにとっても納得感のあるスムーズな取引となること
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購入後の「思っていたのと違った」といったトラブルを防ぐこと
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大切にされてきたピアノが、次の持ち主の方へ気持ちよく引き継がれる一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
出品者様の大切なピアノへの想いを尊重し、誠意をもって対応させていただきます。
本サービスへのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。メルカリでのピアノ購入・及びピアノ点検についてのご相談してみる(フォーム)
電話でもどうぞ: 04-7129-6057うからね。 -























