レッスン開始時に「しっかりメンテナンス」しませんか?

レッスン開始時に「しっかりメンテナンス」しませんか?

「お子さまのピアノレッスン」を想定した総合的なメンテナンス

ピアノのオーバーホールとなると、全ての部品交換(弦・ハンマー等)をした場合30万~50万円になることも珍しくありません。
しかし「お子さまのピアノレッスン」を想定し全ての部品交換か?と問われれば、必ずしもそうではありません。

野沢ピアノでは「お子さまのピアノレッスン」を想定し「優先度の高いもの」とそうでもないものを分け、4つのメンテナンスをセットにしました!

「見た目も美しく、”操作性”と”表現力”を兼ね備えたピアノ」に仕上げます!

2日間の工程で、基礎となる鍵盤部を中心に以下の作業を行います!

【①整調作業】
鍵盤をタッチ → ハンマーが弦を叩く → ハンマーがストップする・・・、という一連の動作の各項目をメーカーにて設定されている「基準値」に調整。

フォルテシモ~ピアニッシモまでの「ダイナミックレンジ」を確保し、トリルなどの早い打鍵にも対応できる「表現力と操作性」を兼ね備えたタッチにします。

【②ブッシングクロス交換】
鍵盤部の代表的な摩耗部分である「ブッシングクロス(フロント・バランス)」を新しいものに交換。鍵盤の左右のブレを抑制し、タッチの力が「ロス」なくハンマーに伝わるようにします。

お子さまのタッチの力が余すところなく「表現力」になるよう仕上げます。

【③クリーニング】
ピアノを解体、鍵盤なども全て外して内部のお掃除
外装部分は、汚れ落とし → 研磨作業 → ワックス掛けを行い、美しい「鏡面仕上げ」に。
金属部分も、サビ落とし → 金属磨きでピカピカに仕上げます。

【④調律】
お客さまのご要望によって440Hzもしくは442Hzにて調律。
お子さまの「音感教育」にも影響する大切な工程です。

ご費用は¥101,000+税 →¥88,000+税にて承ります!

それぞれの料金は・・・
①整調作業:¥17,000+税
(A 鍵盤高さ B鍵盤深さ Cハンマー接近 Dロストモーション調整 Eバックストップ調整)
②ブッシングクロス交換:¥50,000+税
③クリーニング:¥25,000+税
④調律:¥9,000+税
合計:¥101,000+税(税込み合計:¥111,100-)
ですが・・・、

セット料金ですと
ご費用は¥88,000+税(税込み合計:¥96,800-)にて承ります。

①「整調作業」

「整調作業」とは・・・、
「タッチしてから音が出る(ハンマーが弦を叩く)」までの一連の動きを「基準値」に整える作業。
バラつきなく「フォルテシモ~ピアニッシモのダイナミックレンジ」をつくり、トレモロの様な早い打弦にも対応できるよう調整します。

具体的には・・・、
「A 鍵盤高さ」 「B鍵盤深さ」「 Cハンマー接近」「 Dロストモーション調整」「Eバックストップ調整」が主要工程です。

さぁ、「鍵盤高さ・深さ調整」を行っていきますね。

でもその前にやらなきゃいけない工程があります、まずは「ハンマー接近調整」

これは「フォルテシモ~ピアニッシモの幅(ダイナミックレンジといいます)を規定値に揃える調整。

この「ダイナミックレンジ」が狭いと・・・、弾いていても抑揚や表現力のないピアノになります。


こちらは調整前の状態。

弦とハンマーの距離が4mm~5mm程度あります、規定値は2mm程度なのでかなり広い状態。

(野球で例えると、リリースポイントが後ろのピッチャーのイメージ。球速は遅い・コントロールは悪い・・・、ダメなピッチャーです)


「もっと前でボールを離すんだよ!byコーチ」という訳で・・・、

「ハンマー接近」を規定値の2mmに詰めました。
これで「フォルテシモ~ピアニッシモ」のコントロールがしやすくなります。

 


続いて「ロストモーション調整」

「鍵盤」と「アクション」間の「ロス」をなくします。

どの鍵盤に「ロス」が生じているかを確認します。
アクションレールを手前に引くと・・・


「ロス」がある鍵盤のハンマーはアクションレールと一緒に手前に動いてしまいます。


調整はこの「キャプスタンボタン」を調整して行います。

本来は「鍵盤をタッチしたその力」が”もれなく”伝わり、その力が全て「音」として表現されてほしいわけです。

 

この「ロス」があると、タッチの力にロスが生じ「とてももったいない状態」なのです。

これで「タッチの力」が余すところなくアクションに伝わり、すべての力が「音」になっていきます。


「鍵盤の高さ」を調整していきます。

納入された直後は規定値に整えられた「鍵盤の高さ」も、徐々にバラバラに・・・。

使用頻度(多いと鍵盤が下がる傾向にあります)や設置環境(湿度が高いと鍵盤が上がる傾向にあります)によって変化をしていきます。


規定値は鍵盤底より64mm±1mm
もしくは鍵盤手前の黒い部品(口棒といいます)より20mm±1mm。

この「鍵盤高さ」が揃っていないとどうなるか・・・?
結論から申しますと、1つ1つの鍵盤(音)の操作性がバラバラでとても弾きにくいピアノになります。

 


調整は鍵盤下にドーナツ状のペーパーを出し入れ行います。

鍵盤を外すと・・・、ドーナツ状の赤いフェルトがあります。
その下にペーパーを入れるのですが・・・、


ペーパーは0.08mm~0.45mmの数種類を使います。


「鍵盤高さ」に応じて、その鍵盤に適したペーパーを入れて高さを基準値に揃えます。

作業をしていると「この鍵盤は2枚もペーパーが入ってる・・」「あれ、この鍵盤にはペーパーが入ってないな・・」なんてこともあり、出荷時の技術者の苦労が想像できます。

 


「鍵盤高さ」を揃えたら、次は「鍵盤深さ」を揃えます。
深さの基準値は10mm±0.5mm

この「深さ」を測る計測器がこの「あがき定規」。

定規の高さが10mmになっていて、この定規を鍵盤にあてて深さを計測します。


鍵盤の深さは「深すぎても浅すぎても」弾きにくいのですが・・・、
「やや浅めが弾きやすい」とか「いや、深めの方が良い!」とか・・・、結構個人差がある印象です(苦笑)

 


「あがき定規」をあてて、隣の鍵盤との「差」を確認していきます。

「差を確認」は指でなぞって確認・・・、「あがき定規」の方が「ちょっと低い」くらいがいい感じ。

 


「鍵盤高さ」と同様に鍵盤下にペーパーを出し入れして調整を行います。

基本的には使用頻度及び製造からの経過年数が多いほど、「深く」なっていることが多いのですが、「浅く」なっているケースもあります。

ピアノに使用されている「木材」「フェルト」といった天然素材は設置場所の湿度・温度によって少しづつ形を変えていくためです。

この深さは・・・、
連続打弦のしやすさ
フォルテシモ~ピアニッシモのダイナミックレンジ
音質(伸びる音・詰まっている音)等々
タッチ感及び音質といった幅広い領域に関わる部分です。

お弾きになる方のフィーリングも考えながら作業していきます。

②「ブッシングクロス交換」

「力点」「作用点」に該当する鍵盤の穴には「ブッシングクロス」というフェルトが使用されています。

この「ブッシングクロス」左右のブレ(鍵盤の)を防ぎ、タッチの力をロスなくハンマー(ハンマーが弦を叩いて音がでます)に伝えるためのものです。


こちらが鍵盤中央の穴(作用点に該当)に付けられているブッシングクロス。

※「ブッシング」とはベアリングの軸受けとして用いられる管などを指す語、鍵盤下に「キーピン」という「軸」があり、この「軸受け」として「ブッシングクロス」が存在します。


こちらは鍵盤手前の「ブッシングクロス」。

「軸」である「キーピン」との摩擦部であるため、使用とともににどんどん痛んで擦り切れていきます・・・。

「製造から30年」が交換の目安とされています。


まずは古いブッシングクロスを剥がしていきます。

アイロンとタオルと霧吹きを用意。
ブッシングクロスを覆うように濡れたタオルを被せ、その上からアイロンを当てます。

 

 

熱い蒸気で接着剤である「膠(にかわ)」を溶かして、剥がします。

88鍵、フロント・バランス部全て剥がして・・・


接着剤である膠もきれいに剥がします。

剥がし終えたら、しっかり乾燥・・・、


いよいよ新しいフェルトを張り付けていきます。

この「ブッシングクロス」、最初はひも状になっております。

鍵盤部の穴にひも状のクロスを通して接着。
余分な部分をカッターでカットして仕上げていきます。


張り終えた鍵盤ごとに、専用の固定道具を使ってフェルトを固定。

鍵盤の左右のブレを抑制するブッシングクロス。
これでタッチの力を”ロスなく”ハンマーに伝えることでがきます。
操作性も向上しますし、音の頭の部分「発音」はっきりとした輪郭の音になります。

③「クリーニング」


まずはピアノを解体していきます。

①鍵盤蓋
②上前板
③下前板
④マフラー
⑤アクション
⑥鍵盤
⑦拍子木

外せる部品は全て外して準備完了!


最初は鍵盤下をお掃除します。

ココはお使いになる方がご自身で掃除できることろではありません。
また、調律の時でも鍵盤の下を掃除することは殆どありませんので・・・、大抵はホコリがたっぷり溜まっています。

すみません、クリーニングの際は掃除機をお借りします。

お掃除が終わったら、「キーピン(鍵盤を固定している「軸」)」を磨いていきます。
ここを磨くことで鍵盤の動きもスムーズに、滑らかに動くようになります。

クリーニングではありませんが、鍵盤を外した時にしかできない作業でもあるのでついでに作業します。


鍵盤本体もお掃除します。

指が触れる鍵盤上部も磨きますし、鍵盤裏のキーホールも掃除します。

鍵盤をタッチしてから、実際に音が出るまでには・・・

①鍵盤部 ⇒②アクション部 ⇒③弦

というプロセスがありますが、①鍵盤部と②アクション部の接点に潤滑の役目を担う「黒鉛」を塗ります。

 

 

ピアノの下も掃除機をかけていきます。

ここも結構ホコリが溜まっていることが多いですね。

 

掃除機をかけ終えたら次は「汚れ落とし」です。

次の工程「磨き」の前に、ほとんどの汚れをこの段階で落とします。


汚れ落としが終わったら、次は「金属部分の磨き」をしていきます。
ピアノによってはサビや汚れで黒くなってしまっているものもありますよね。

専用の錆落としと金属磨きで奇麗に仕上げます。


続いてペダル磨き(^^)/

金属部分が光輝いていると、ピアノの印象も全然違います!

 

いよいよ最終工程、「磨き」を行います!!

専用のポリッシャーを使い、ピアノ本来の艶を出していきます。
各部品を組み立てて、最後の最後に更なる「艶出しワックス」をかけて作業終了です!

④「調律」


いよいよ最後の工程「調律」です。

音感教育を受けているお子さまの為にも、丁寧に調律します!

ピッチは440HZでも442HZでも、ご指定のピッチで合わせます。

オーバーホール(ピアノ全体点検)の目安は「製造から30年」

お子さまのピアノレッスン開始を前に
「実家からピアノを持ってこようと思ってるけど・・・、本当に使えるのかしら」
「やっぱりどこか直さなきゃいけないのでしょうか・・・?」
というご質問をいただきます。

一般的に「製造から30年」経過したピアノはオーバーホール(ピアノ全体点検)の対象になります。
もちろん「使用頻度」「設置環境」「調律・メンテナンスの頻度」によって変わりますので、一概にはいえませんが、「製造から30年」経過したピアノは色々と修理・修繕の必要性がでてくることも事実です。

全ての項目をオーバーホール(大がかりな修繕)となると30万~50万円程度になります。
野沢ピアノでは「お子さまのピアノレッスン」を想定して優先度の高い項目を修繕し、ご費用を抑えて見た目も美しく”操作性と表現力”を兼ね備えたピアノ」をコンセプトにメンテナンスをしております。

こうしたメンテナンスは頻繁に行うものではありません。
ピアノの一生(70年~80年)で1~2回程度のものです。
お子さまのピアノレッスン前に「しっかりメンテナンス」しませんか?

野沢ピアノ:千葉県野田市岩名1-62-2 TEL 04-7129-6057 受付時間 9:00~20:00(日・祝日除く)

PAGETOP
Copyright © 野沢ピアノ All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.