こんにちは、今日はとても暖かい日です(^^♪
4月中ごろの陽気なんだとか・・・、ようやく冬も終盤です(^^;)
さて、本日は先週「音がでなくなっちゃった!!」というお客様からの連絡を受けて、行って参りましたのでその模様を・・・。
「音が出なくなる」などというと、「あー、どうしたんだ、このピアノもそろそろ限界か!?」と思う方もいらっしゃるのですが、大抵の場合はそんなことはありませんのでご安心を(*^^*)
「音がでなくなっちゃった」というピアノはこちら。
「YAMAH U1H」、製造番号が1864781なので、昭和47年(1974年)製造のピアノです。
41年前のピアノですが、まだまだ現役です(^^♪
弾いてみると・・・、低音部の「シ」と「ド」の音がでません(^^;)
というより、鍵盤自体が下がったままで戻ってきません・・・。
あらら・・・、「音が出ない」原因は様々あるのですが、これはとてもポピュラー(?)なパターンです。
鍵盤の構造を見てみましょう・・・
下の図は鍵盤の断面図です。
鍵盤は「テコの原理」で動いています。
鍵盤の「支点」「力点」部分には、それぞれ”穴”が空いていて(バランスホール・フロントホールって言います)、その”穴”にキーピンというピンがささっています。
写真は鍵盤の裏側です。
こちらが手前側の”穴”、フロントホール。
「力点」部分ですね・・・。
赤く見えるのは、「ブッシングクロス」っていうフェルトです。
こちらが、鍵盤の真ん中の”穴”、バランスホール。
「支点」部分です。
一方、ピアノの本体側には、ピンが付いています。
鍵盤の手前側・真ん中の”穴”にそれぞれがささっている構造です。
この「支点」「力点」部分が滞りなくちゃんと動いてくれないと(つまり、鍵盤がちゃんと動いてくれないと)・・・、当然音が出ません(^^;)
「音がでない」原因の多くは「多湿」です
では、なんで鍵盤がちゃんと動かなくなってしまうのか・・・。
ご覧いただいた通り、鍵盤は「木材・フェルト」でできています。
原因は「多湿」で、この「木材・フェルト」が湿気で膨張し、「支点」「力点」部分で動作不良が起きてしまうんです(^^;)
という訳で、修理はとても簡単(^^♪
膨張したフェルトを専用の工具で修正します!!
これで作業終了(^^♪
鍵盤をもとに戻して・・・、キレイに動いています!!
今回の「音がでない」原因は鍵盤の動作不良によるものでした。
他の箇所(アクション部など・・・)の動作不良によっても「音がでない」という故障が起きるのですが、その原因の多くは「湿気による木材・フェルトの膨張」です(^^;)
ピアノの故障の多くは、こうした「多湿」、あるいは「過乾燥」によって起きます。
湿度50%くらいがピアノにとって一番良い湿度です(^^♪
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