皆さんこんにちは、去る4月14日に熊本地震が発生いたしました。

先日、NHKラジオを聴いていたら「学校のグランドピアノが地震で動き、壁に大きな穴が開いた」とのニュースをやっていました。
恐らく、グランドピアノのキャスターがむき出しになり(あるいは元々”キャスターむき出し”の状態だった、体育館のピアノなどは頻繁に移動させるため、キャスターの下にはかせる”インシュレーター”を付けていないケースが多い)、地震の揺れそのままに”ピアノが走った”という感じだろうと・・・・、想像します。

本日は改めて「ピアノの地震対策」について考えてみます。

地震発生!!、とにかくピアノから離れてください!!

最も大事なことを最初に言います。
もし、ピアノのレッスン中などピアノが近くにあるシチュエーションで地震が発生したら、
なるべく早くピアノから離れること”が大切です。
地震の揺れで、ピアノが暴走したり転倒する危険性があります。
耐震装置を設置してあるピアノもありますが・・・、それも絶対の安全を保障するものではありません。

また、身を守ろうとグランドピアノの下に入ることは絶対にやめてください
グランドピアノの脚が折れ、下敷きになる可能性があります。

ピアノの設置状況・・・、これはちょっと危険かも

地震の揺れでピアノが転倒・暴走する可能性があると言いましたが・・・、
ではどんな設置状況だと危険なのでしょうか。

【1】ピアノの後ろ側が何もない状態(アップライトピアノの場合)

2016041315180000 - コピーアップライトピアノの重心は後ろ側にあります。
ですので、転倒する場合は基本的に後ろ側に倒れます。

一般家庭では通常ピアノの後方は「壁」の場合が多いと思いますが、学校・公民館に設置してあるピアノはそうでない場合も多く、この場合は後方への転倒の危険性が高いと言えるでしょう。

アップライトピアノの後方は危険だと覚えておいてくださいね。

【2】ピアノと壁のすき間がほとんどない状態(アップライトピアノの場合)

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実はこれも危険なんです!!
アップライトピアノの重心は後方にあるため、ピアノ後方に適度なすき間がないと地震の揺れを逃がすことができません。
そうなると今度はピアノ前方への転倒の危険性があります。

ですので、アップライトピアノと壁の間には適度なすき間が必要なのです。
だいたい7cm~10cm程度(指3本~4本程度)が適切です。

【3】インシュレーターが薄いプラスチック製、あるいは敷板の場合

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地震の時、キャスターがむき出しのピアノは暴走・転倒の危険性が高まります。
通常ピアノのキャスターには”インシュレーター”というお皿のようなものが履かせてありますが、地震の揺れでインシュレーターからキャスターが飛び出してしまうことがあります。

インシュレーターが薄いプラスチック製のものだったり・・・・

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敷板という板の上に乗ってるだけだったりすると・・・、
暴走・転倒の可能性が高まります。

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と言っても、わが家のインシュレーターが”薄いプラスチック製”のものかわからないですよね。
こちらは”地震対策用のインシュレーター”。

上記”薄いプラスチック製”の画像と比較するとわかりますかね・・・。

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並べてみると・・・、こんな感じです。

地震対策用のインシュレーターは大きくて”キャスター受け”が深いのが特徴です。

備えておくと安心かもしれません・・・、ピアノの耐震グッズ

これらの商品も地震時の安全を約束するものではありませんが、備えておくとやっぱり安心です。
1995年の阪神淡路大震災の時「地震対策をまったくやっていないピアノ」は転倒までに3秒だった、と言われていますので、ピアノから離れる時間を確保するために有効かもしれませんよね。

詳しくはコチラ(ピアノの耐震グッズのページ)をご覧ください。
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設置はピアノ専用のジャッキを使って行います。

ピアノの下にジャッキをかませて・・・・、

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ゆっくりとジャッキアップしていきます。

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ジャッキアップが終わったら、地震対策用のインシュレーターと交換します。

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交換したらピアノを元に戻して終わりです。

キャスターは左右2つずつ・合計4つあります。
作業時間は20分~30分です。

最後にもう一度・・・、日頃からの備え

地震の時はピアノから離れること!!

くどいようですが・・、
アップライトピアノは、転倒・暴走の可能性があり、グランドピアノは、脚折れ・暴走の可能性があることを覚えておいてくださいね。

耐震グッズで地震対策

これらの商品も万全ではありませんが、人的被害・ピアノ本体の被害を最小限にとどめるためのものです。

アップライトピアノは壁から7㎝~10㎝程度離して設置する

アップライトピアノは後ろに重心がありますので・・・、壁にピッタリと設置してしまうと地震の揺れを後方へ逃がすことができず、前方への転倒の可能性が高くなってしまいます。

ピアノのある部屋で(ピアノの前で)寝ない

できるなら避けた方が良いと思います。
お子様のお部屋にピアノがあって、そこで就寝している場合・・・、ベットやお布団の位置をピアノからできるだけ遠ざけたり、向きを工夫したりしてくださいね。